守護華神

天地(二象)

1.天空(守護華神)
森羅万象の要素のまずはじめに現れる姿、それは果てしなく広がる大空、天空です。全てのものは、まったく何もない宇宙空間から奇跡的に生まれて、生命が始まり発展してきました。天空は何の形もなく、手に掴むこともできないけれど、人智の及ばない大きな力に満ちています。
2.大地(守護華神)
命を育む母なる大地。天の恵みを一身に受けてあらゆる生命を守り養い、優しく育てていきます。そのふところは広く深く、限りない慈しみの心にあふれています。
63.桃源郷
天地の交わる果てに出現する2つの世界のうちの一つ。天空と大地が互いに近づきあって万物を生じ、豊かで安定した理想郷を創りあげた世界です。無限で広大な慈愛のエネルギーの中で生きるものすべてが安心して身を委ねています。
64.黄泉の国
天地が作り出した桃源郷に対してのもう一つの世界。切り裂かれた深い闇の死の世界です。全てのものが相反するばかりで、後向きのまま何も生まれない状態です。

◆雷神(十二象)

3.雷神(守護華神)
しきりと鳴り響く雷電の神の姿です。 雷神の発する音と光は鋭く強烈で、会う者を圧倒的なパワーで震撼させてしまいます。
9.雷光の誕生
天地の長男にあたる雷神がはるか天空で誕生しました。 その力強い産声が宇宙に響き、轟いている姿です。天も、わが息子ながら将来自分を超えてしまいそうな勢いに、世代交代の訪れを感じずにはいられません。
10.落雷
宇宙に誕生した雷光が地中で発芽するために、鋭い稲妻となって勢いよく大地に飛び込む姿です。轟音とともに天地を切り裂く強烈な雷光は、暗澹とした世界を照らしつけ、よこしまな邪魔者を断固として退け、粉砕し制裁を与えます。
11.地中の雷芽
勢いよく地中深くに飛び込んだ雷電の種が、かすかに芽吹きはじめました。父なる天から魂を受けて、すべての生命を優しく育む母なる大地のふところへと再び戻り、立派な雷神となるべく根気よく養われている姿です。
12.湖中の胎雷
大地のふところに戻りかすかに芽吹いた雷が、もともと休むべき場所、魂の故郷である湖底奥深くに身を潜め、漂うに任せている姿です。やさしくゆれる水の音や、わずかに湖底にとどく陽光を感じながら、ゆっくりと、しかし確実に成長していくのです。
13.深水の幼雷
魂の故郷、やさしい湖の底で育まれた雷の赤ちゃんが、少し大きくなって川底奥深くへと移り、激しい流れの中でもがき苦しみながら、明るい陽の光の降り注ぐ地上を目指そうとする姿です。
14.地上の青雷
流れの急な川底から試練を乗り越えて、陽光ふりそそぐ地上に何とか出ることができました。幼い雷が一つ成長して、未知の世界へと出られたことに安堵し、喜びにあふれている姿です。
15.山腹の雷鳴
明るい地上へと出た雷は次第に成長し、山の中腹あたりまで登ることができました。 伸び盛りの若い雷が、頼りなげながらも一人前に雷鳴を轟かせ始めている姿です。
16.山頂の雷鳴
いろいろなことを体験してすくすくと成長した若い雷が、山頂まで登ってきていよいよ天高く鳴り響こうかと有頂天になっている姿です。
17.雷電
地上から高く飛び立ち何とか一人前となった雷神が、真昼の太陽に明るく照らされて輝くばかりにのびのびと大いなる雷光を放っている姿です。
18.湖畔に帰る成雷
太陽に助けられながら、自らの力と勘違いして威信を振るっていた雷でしたが、日が沈み自分を過信していたことに気づいて自信を失ってしまいます。そして、失意を胸に抱えて生まれ故郷の湖に帰ろうとする姿です。
19.彼方響き渡る雷鳴
華やかな成功や挫折など紆余曲折を経て、ようやく本当の実力をつけて名実ともに一人前となった雷が、世界をあまねく吹き渡る風に乗って遠くへと雷鳴を鳴り響かせている姿です。
20.天かける雷光
「風」という理想のパートナーを得ることができた雷が世界を思う存分に駆け巡り、いよいよ遥か天空へと昇りつめんがために、さらに激しく全身を震わせて振動している姿です。

◆ 風神(七象)

4.風神(守護華神)
どこへでも入り込む、柔軟な風の神の姿です。 自由気ままに世界を吹き渡り、その時々に見せる表情もさまざまな風は、まさにとらえどころのない百面相といった印象を与えます。
21.風の誕生
健やかなる天空高くに一筋の清らかな風がどこからともなく現れ、軽やかな変化に大気がどよめき緊張している姿です。
22.空渡るそよ風
軽やかに誕生した気まぐれな風のお嬢さんが、上を目指して進もうとしている天の前方を、お構いなしに鼻歌まじりでのん気にそよ吹き、横切ってゆく姿です。
23.地底から吹き上がる風
天の上空でしばらくの間そよ吹いていた風は、そこにいることにも飽きて下の世界に興味を惹かれます。広々と大らかで温かそうな母なる大地に抱かれたいと思い、地中深く入り込んだ姿です。地の底にあふれている大地の命のエネルギーによって優しく温められ、か細く頼りなげな風は次第に力を蓄えながら地上へと上昇していくのです。
24.大地吹く風
地中でゆっくりと育まれだんだんと上昇してきた風はついに心眼を開き、地上へ到達します。そして世界を隅々まで吹き渡って、あらゆる万象を観察しているという姿です。
25.湖面戯れる風
静かな湖面で、しばしの休息を楽しんでいる風の姿です。 裏表のない子供のように清らかな心をもつ湖は、緊張の帯をとき心を開放してリラックスできる最高の場所です。
26.川面行く風
湖と穏やかな時を過ごした風は、再び空を舞い、豪放な河の急流の上へと来ました。 一時として止まる事を知らない川面に吹いてみますが、一瞬さざ波となってもすぐまたもとの流れとなって散り消えてしまうという姿です。
27.春の嵐
天から舞い降りた風は、さまざまな出会いと経験を経てきましたが、ついに雷神と出会い大きな嵐となります。雷鳴は鳴り響き烈しさを益して、それにつれて風もさらに速く吹き、お互いに共鳴しあい力を増していく姿です。

◆水神(十象)

5.水神(守護華神)
生命の源であると同時に、時としてその命を奪う凶暴な面もあわせ持つ水の神の姿です。 水は火と並んで、生きるためには必要不可欠なものであるけれども、それが大量にあふれれば脅威の存在となります。
28.水の誕生
天空を覆い隠すかのように、広く厚く雨雲が現れ、おびただしい量の水滴が地上に向かって流れ落ちる姿です。こうして誕生した水は、生まれた瞬間から天の意志に激しく逆らうようにして、ひたすら下を目指して行くのです。
29.地下水脈
天に背を向け反発するようにして離れ、一目散に大地の奥深くへと潜んだ水が、いかにして力強い天下の豪河となろうかと、眼光鋭く企んでいる姿です。
30.深山の湧き水
大地に養われ、いよいよ大河の夢実現のための第一歩を踏み出す時が来ました。 地下から高い山の奥深くへと入った水は、源泉となって清水をこんこんと湧き出しているという姿です。
31.豪河
深く暗い山奥から紆余曲折を経た水は、次第に支流を合流させて大きくなっていきます。 そしてさらに根気よく辛抱を重ねて、ついに豪河の急流となった姿です。険しく高い山から流れ落ちる水は速く、鋭い刃物のように岩をも削って進んでいきます。
32.池のほとり
きつい傾斜の急流も平地まで流れ着くとさすがに穏やかになり、再びゆっくりと細い支流に分かれます。小川の先には小さな池が出来上がり、そのほとりで人々が和やかに集い、憩いの場となっている姿です。
33.清井戸
人々が心楽しく池に集い和む姿に、施す喜びを見出した水は、もっと役に立ちたいと考えて、再び地中へと浸透していきます。そして愛情深い大地にさらに浄化されて、命を養うための汲めども尽きない井戸の水となった姿です。
34.水瓶と火
井戸となり日々の生活に密着して役立つ存在となった水は、毎朝つるべで汲み上げられて水がめに移されます。そして一日を始めるための火が熾されますが、水がめはまだ傍らに置かれたままという姿です。
35.慈雨の前
何者も近づくのを許さない脅威の豪河から、人々の生活の役に立つ存在へと変貌を遂げた水は、水蒸気となって舞い上がり、天空へと戻っていきます。 そして次第に集まって雨雲となり、ゆっくりと広がって乾いた大地に今にも恵みの雨をもたらそうとしている姿です。
36.夕立
水神が雨雲を空一杯に広げて、地上の生あるもの達に恵みの雨をもたらそうと指示を待っています。やがて天空の総指揮の元、雷鳴の合図を聞いて雨を降らせる時期を知り、夕立が乾いた大地を存分に潤すという姿です。ひび割れた大地に豊かな雨が染み渡り、枯れかけた木や草花には生気がよみがえります。
37.雨上がりの虹
激しい夕立のあと、すべてがすっかり洗い流されて鮮やかな七色の虹が大空にかかっている姿です。

◆火の神(八象)

6.火の神(守護華神)
圧倒的なエネルギーを放出して、大いなる知恵と勇気と希望をもたらす燃えさかる太陽、火の神の姿です。自然界では知恵のある人間だけが火を扱うことを許されており、その生活の中においてもなくてはならないものです。
38.火の誕生
全知全能の天空のふところに火が誕生して、知性の明をもって輝き照らしている姿です。 天空は宇宙、火は言わずと知れた太陽のことです。
39.日の出
天空の加護の元、大きく育った火が大地をあまねく照らす太陽となって地上に現れた姿です。共に世界を導く志を持つものとして、天の寵愛を一身に受けた太陽が、遥か天上を目指してひたすら上昇していきます。
40.真昼の太陽
天すらも追い越そうという勢いでまっすぐに上昇した太陽が、天上高く君臨している姿。 自分と同じ志を持って生まれ、暗い地上を明るく照らすに至った無欲無心の明知の成長を祝福し、天は揺るぎない天佑を与えます。
41.湖面に乱反射する陽光
余すところない天佑を独り占めにして天下に敵のない太陽は、小さな湖に対しても加減なく威光を射しかけてしまいます。突然の強い輝きに心幼い湖が動揺して、そのあつかましい光の来訪に反発し湖面を波立たせている姿です。
42.山焦がす西日
容赦を知らない太陽が、最盛期を過ぎたとはいえなお衰えない陽光を山にぶつけ、山越えの旅人の背中をじりじりと焼いているという姿です。
43.夕陽映す湖
威光を振りまき力強く我が物顔で闊歩していた太陽もまもなく沈む夕暮れ時、湖と再び出会うことになりますが、その勢いは衰えていて、かつて幼かった湖は成長していました。 以前の勝気の失せた太陽を、湖が胸元に抱くように湖面に映し出して見せている姿です。
44.闇夜
かつて小ばかにしていた湖に、大きな包容力を見せ付けられてショックを受けた火は、知性を振りかざすことだけが真理ではないことを悟りました。そして、これまでの態度を反省して、地中奥深くに身を没し自らの明智を隠してしまったという姿です。
45.種火
天から与えられた優れた能力を振りかざすだけでなく、万物の役に立てなければならないことを大地に教えられた火は、力を調節することを覚えました。そして、人の生活するために必要な、ちょうどいい大きさになって現れ、木に移されているという姿です。
46.宴
人々の生活に役に立つべく、ちょうど良い大きさになった火はかまどにくべられて勢いよく燃えています。その上に鍋をのせて煮炊きしているという姿です。出来上がった料理は次々と運ばれ、一日の無事を祝い、収穫物に感謝して、おいしいご馳走を囲んで舌鼓を打つ人々の表情は皆ほころんでいます。

◆山の神(八象)

7.山の神(守護華神)
大いなる山の神様。永久にとどまり、微動だにしない姿です。どっしりと腰を据えて、じっとそこに居続ける山は見るからに安定していて、落ち着いた重厚さをかもし出しています。表面的にはどこまでも静かで何事もなく、躍動感はないけれども、内面に秘めたパワーは底知れないものがあります。
47.天上山
天上に忽然と、天の行く手を押し留めるように立ちはだかり現れた山の姿です。 生まれたばかりの山は、いかなる光も音も拒絶するかのように静寂かつ蒙く冷たく、頂上には雪さえいただき微動だともせずただそこに居つづけています。
48.春の山河
天によって命を吹きこまれ、緑豊かに充満した山は、地上に降りて小さな湖と出会います。そして、その愛らしい様子に想いを馳せ、湖もまた物静かで控えめな山に好感を持ち、二人は無邪気に楽しい時をすごしているという姿です。
49.夏の緑山
湖との楽しいひと時も心の栄養となり、次第に山の力も充満しつつあります。夏の強い日差しに助けられ、木々の緑はいっそう濃く鮮やかに映え、さらに高く大きく成長してゆくという姿です。
50.晩秋落日の山
成長の夏が過ぎ秋が訪れて、天の恵みの収穫も十分に実りました。 木々は実を蓄え、黄金に輝く壮年の山が茜色の夕陽に照らされて、一日の終幕に華やいでいるという姿です。
51.木枯らし吹き付ける山
実り多く豊かな最盛期は過ぎて、冷たい冬将軍が訪れます。 力衰え始めた山にも木枯らしが容赦なく吹き付け、草木は枯れ腐敗し、荒れ果てていくという姿です。
52.崩れゆく山
年老いた山が冬将軍に見舞われ、数々の風雨にさらされ続けました。 受けるべく受難とはいえ、あまりの勢いにさすがの山も耐えかねて、ついに足元から崩れ始め大地に這いつくばってしまうという姿です。
53.宝山
暴風雨に取り崩され元の形の痕跡もなく大地には這いつくばった山は、すっかり蓄財を無くしてしまいました。ただ一つ、誰にも奪うことのできない誇りと智謀だけを胸に携えて、地中へ没し身を隠したという姿です。
54.深山
山は大地に教えられ、本当に大切な宝珠とは何かということを悟りました。 そして、略奪者の闊歩する地上を離れ、遠く天の懐奥深くまで逃れ退くことにして、邪気の霧消するのを待っているという姿です。

◆聖湖(八象)

8.聖湖(守護華神)
清水を豊かにたたえた湖の神。純真無垢な若い娘達や動物達が楽しく戯れる美しい湖畔の様子です。山に守られるように囲まれた、静かで穏やかな湖の周辺にはいつも愛と平和が満ち溢れています。
55.湖水の誕生
剛健な天空に、水晶のように清らかで小さなしずくがぽつんと現れました。そして、天空の傍らから臆面もなくきらきらと光りながら滑り落ちていくという姿です。
56.地に集う水
天の寛らかな加護に見守られて生まれた湖水は、一つまた一つと地上へ降りていきました。そして、大地の配慮によってできた窪みの中に、清らかな水を次第に集めていくという姿です。
57.潤湖
大地の窪みに順当に水が集まり、山からの湧き清水も加わって、ようやく多くも少なくもなくちょうど良い水量の湖が出来上がったという姿です。
58.晴れ渡る美湖
一粒のしずくでしかなかった湖水が、小さいながらも美しく立派な湖となりました。我がふところで一業を為しえた湖を大地は愛でたたえ、その美しい姿を満足げに岸から臨み眺めているという姿です。
59.春山映す湖畔
美しく立派な姿となった湖は、充実した毎日を過ごしていました。 ある日ふと見上げるとそこにはのどかな春の日差しの中で生き生きとした息吹に満ちあふれている若い山がたたずんでいました。ひと目で恋に落ちた湖が、その日以来他のものには目もくれずにうららかな山の姿ばかりを湖面に映すようになったという姿です。
60.洪水
動物達や風と戯れたり、山に恋心を寄せてささやかな幸せ気分にひたっていたのもつかの間、たちまち雲行きが怪しくなって空が真っ暗になってしまいました。 突然の台風の到来に、力ない湖は抗う術もなく飲み込まれてしまい、水があふれ洪水となった姿です。
61.干湖
嵐が去り洪水が収まったと思ったら、今度は長い日照りが続いて、湖が干上がってしまったという姿です。水は毎日少しずつ蒸発し、だんだんと減るに従って澱んでいき、ついには無残にも干からびてひび割れてしまいました。
62.豪雨の前
試練の災難に続けざまに見舞われた湖は、力なく翻弄されてこれも天命と、いたいけに息を引き取りました。あまりの儚さを哀れんだ天により、天上に上げられた湖水は力強い雨雲となりました。そして、全ての邪気を払う豪雨を降らせるための天の合図を、今か今かと勇んで待っているという姿です。
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